【日程】
2014年9月14日~15日
【コースタイム】
14日 車止め9:15~登山口9:37~出合吹沢9:45~テン場14:15
15日 テン場出発7:25~稜線15:30~車止め19:00
【参加者】
2名
【山行内容】
車は登山口までは乗り入れ出来ず、南俣沢出合いの橋を越えてすぐの所に駐車する。歩き始めて間もなく、登山道を横切る出合吹沢より入渓する。水量は落ち着いているようである。入渓して間もなくして激しく雨が降り始める。仕方が無いので右岸を少し上がって木の下で雨宿りする。10分ほどで雨は落ち着き、遡行を再開する。
左から入る荒沢を過ぎ、いくつか左右から入る枝沢を過ぎ、ゴーロ歩きに飽きるころようやく大きな釜を持つF1が現れる。ここは無理せず左のリッジを巻く。続くF3は右壁に残置ハーケンがあるが、それは使用せず下半身を浸かりながらショルダーで越える。
遡行を続けると魚影が時折見えるので竿を出してみるがさっぱりである。適当なところで諦め、右から大クビト沢が出合う頃にはすでに14時近くである。砂クボ沢と砂吹立沢との出合いをテン場とする。障子ヶ岳の東面のスラブが綺麗に見える。夜は星空がきれいに見えて、水量も少ないので静で寝付きが良かったが夜中寒さで目が覚める。
翌朝は7時25分出発で砂吹立沢へ入る。「ここより核心部」と看板が立っているが如く、右岸左岸共に立っている。最初のF4は難なく越える。F5は初見、泳ぎが必要かと思ったが、ロープを出して左岸よりへつり右岸を登る。続くF6のCSの滝もロープを出し空身で左岸のバンドをトラバースする。若干かぶり気味のトラバースでいやらしい。二つ目のランニングは残置の古いハーケンを使用するが、よくあの位置打ったなと思う。
滝場を抜けるとゴーロ帯になり左岸の壁がかなり高い。大滝が予想される。案の定40MのF7直瀑が現れる。逆層になっていて直登は不可と即判断できる。高巻く為、石で埋まった右のルンゼを上がり上がれそうなところで左の尾根に入る。潅木を頼りに沢床を目指す。枯れた枝沢を越えてドンピシャで沢床へ下りる。沢を見下ろすと先ほどのF7との間に滝が一つか二つほどありそうだがよくわからない。遡行図に空白が出来る。
いくつかフリーで滝を越え1050Mの二俣を右に行くとすぐに目の前にスノーブリッジが現れる。だいぶ融雪が進んでいる。その手間で沢は左曲している。潜らなくて済んだ。次に現れたF16はロープを出して左壁をショルダーで越える。続くF17もロープを出す。
F18は大きな滝で25Mといったところか。右壁にラインを見出して取り付く。浮き石がひどいが真下でビレイしているので思い切ったクリーニングは出来ない。リスも微妙でハーケンが決まりにくく、ランニングを取ってもフォールは厳禁と感じる。1段目から2段目のテラスに上がる部分が一番の核心部といったところか。結構シビアなリードだが、慎重に2段目のテラスに上がりここよりは楽に滝の落ち口へトラバースする。ランニングは取れないので大きくランナウトする。ロープは屈曲して流れが極端に悪い。続くF19は左壁を登攀出来そうだが、もうお腹いっぱいと言わんばかりに高巻きで懸垂にて沢床へ下りる。その後は遡行図には書ききれていないが稜線直下まで小滝が現れる。やがて沢型が崩れ草付となりほとんど藪こぎせずに稜線に飛び出した。障子ヶ岳がその雄姿を見せつける。時刻はすでに15時30分で、太陽との競争に負けヘッドランプの御世話になり漆黒の闇の中無事に下山する。
全体的な感想として、どの滝もホールドが細かく逆層の個所も結構ある。また非常にもろい個所もあり、滝の弱点をよく見極める必要があると感じる。また素直にハーケンを受け入れてくれるリスも多くは無い。だが安易な高巻きは危険度を引き上げるので、出来るだけの直登もしくはそれに準じる措置が必要と感じた。今年、会心の一本となった沢に違いない。
遡行図 |