場所 | 栗子山塊 杭甲山 |
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エリア | 東北 |
日程 | 2022/01/09 〜 2022/01/09 |
東栗子トンネル福島側出口付近6:40~7:10→スキー場リフト跡終点7:55→二ツ小屋隧道8:35~9:20→二ツ小屋隧道出口でワカン装着9:35→大平橋(尾根取り付き)11:10~22→尾根合流(1020m) 12:15→杭甲山(1202m)12:50~55→大平橋13:35→二ツ小屋隧道(ワカン外す)15:00~15→東栗子トンネル福島側出口付近15:45
沢登りで摺上川の支流を遡行したことはあるが、栗子山塊は今まで登ったことがない。
調べてみると旧国道13号線「万世大路」は、今から141年前の明治14年にそれまでの板谷峠に代わる新道として開通した。今回訪れる二ツ小屋隧道は、土木学会選奨土木遺産にも選ばれている。
例年になく大雪の福島市から国道13号線を米沢方面に向かう。フルーツラインを過ぎ山間部に入ると霙が振り出し暗い気持ちになる。さらに標高の高い東栗子トンネル付近では雪となった。
東栗子トンネルの福島側には、除雪車の旋回場所があるものの駐車禁止との看板がある。迷った挙句に道路の反対側の除雪スペースに駐車し、出発準備をする。
二ツ小屋隧道でのワカンの着け外しが予想されるため、ツボ足で出発する。斜面を直上し旧13号線へ出る。昨日のものと思われるトレースがありラッセルから解放される。 私の持っている古い2万5千分の1地形図にはスキー場が記載されている。その錆びたスキーリフトの跡を見ながら進む。
二ツ小屋隧道には予定より遅れて到着した。隧道の中に漏水している箇所があり、それが凍って氷柱となっている。トレースは、氷柱を見物に来た人が残したものであった。
調子があがらないメンバーには、ここから引き返してもらい車中で待機してもらうことにした。
ヘッドランプを点けて隧道を通過し、出口付近でワカンをつける。二ツ小屋隧道から先にトレースはなく、脛位までのラッセルとなる。湿った重たい雪で体力の消耗するワカンラッセルが続く。二ツ小屋隧道から烏川橋を渡り左岸沿いに進み、尾根を越えて大平橋まで1時間35分かかった。
大平橋で小休止し、「予定より遅いが行けるところまで」と杭甲山から南東に伸びる尾根に橋を渡った所から取り付く。始めは傾斜が緩く複雑な地形だが、高い所を目指してラッセルを続ける。当初、山スキーを使用できるかと思ったが、灌木が多く適さないようだ。
傾斜が増しラッセルはさらに大変になるが、K氏の体力で順調にトレースを伸ばす。大平橋から登ること53分で左から尾根が合流し、標高差230mを稼いだことになる。
すでに12時を回っているが、尾根合流点に赤布をつけ、さらに杭甲山のピークを目指すことにする。風により雪が締まり、ラッセルはやや楽になる。W氏がヒーヒー言いながら頑張っている。ヤセ尾根だが雪庇の張り出しは小さく危険性は少ない。高度をあげるにつれて視界が悪くなり、K氏、私で赤布を3カ所つけながら登り続ける。また、私はコンパスを進行方向に向け、リングを回して磁北をセットする。直線的な尾根なので、これで帰りの方角は間違わないはずである。
やがて、左右から稜線が狭まり西からの風が強く受けるようになると、杭甲山頂上に達する。三角山と呼ばれる程、明瞭なピークだが、視界が悪く、先頭の私は数メートル行き過ぎて、下り始めてから気が付き戻った位だ。尾根の合流点から標高差180mを35分で登った。ホワイトアウトの中、写真だけを撮り早々に下山を開始する。
下りはW氏が一度ワカンを付け直したものの、40分で大平橋に到着する。ここから自分達のトレースを使って戻るが、体力を消耗しているため楽とは言い難い歩行であった。
二ツ小屋隧道でワカンを外す。氷柱を見るため、数パーティが訪れていた。雪の中をマウンテンバイクで下っている若者2名もいて、当然のように転倒していた。
時間がなく視界も悪かったことから栗子山までは往復できなかったが、中央分水嶺の杭甲山に立てたことは非常に嬉しかった。正味、7時間行動の充実した山行であった。