2021年2月 高曽根山

場所 高曽根山
エリア 東北
日程 2021/02/23 〜 2021/02/23
コースタイム

大川入川沿道路脇(路上駐車)9:36➝支尾根取付10:00➝標高1020m付近10:26~10:36➝(標高点1071m手前から水平トラバース)ブナ太郎11:13~11:30➝標高点1230m付近12:06➝高曽根山山頂13:10~13:15➝頂上手前雪庇下で休憩13:18~13:35➝標高点(1231m)支尾根分岐14:02➝大川入川沿い道路脇15:24

コース状況

 12月の吾妻連峰(西大巓)、1月の蔵王、2月初めの額取山(安積山)に次いで今季4回目の冬山の登山となった。四国徳島から来た者からすると千メートル前後の山でも東北の山となると雪が多いのに驚かされる。冬になるとそこそこ雪が降る(子供の頃は毎冬屋根の雪下ろしをさせられた記憶がある)新潟の町で育ったので、近くの丘でスキー(この頃、スキー靴などという気の利いたものは庶民には高嶺の花で、普通のゴム長靴にスキーを付けて滑っていた)。もちろんリフトなどなく、一回滑ると両足のスキーをVの字に開くか斜面に横向きにして登ったものだ。そんなことをして冬休みになると友達と終日滑っていた。大体終わり頃にはズボンがびしょ濡れになり、家に帰って炬燵にもぐって乾かしても叱られもしなかった。思い出話になったが、雪の想い出には事欠かず雪にはどうしても郷愁を感じてしまう。歳のせいもであるのだが雪のほとんど降らない四国に長く住んでいたので余計にそう思うのかもしれない。前置きが長くなったので本題に入ろう。

 いつものことで、I井さんに五百川駅に迎えに来てもらって郡山市役所駐車場に集合して山スキー組、歩き組に分かれて二台の車に分乗して裏磐梯に向かった。途中、檜原湖でワカサギ釣りの小屋がたくさんあるのが目についた。数年前の正月に家族で行く計画を立てたのだが湖面が凍らず計画が頓挫したことを思い出した。以下は上のコースタイムを参照してもらいたい。大川入川沿いの道路でワカンを付けて歩き始めた。ワカンは50年程前に新潟の菅名岳に友人らと登った時に着けた記憶がある。もちろん初めてと同じで装着を教えてもらいながら付けた。

 車で深くまで行きすぎて開始地点に戻ったりしたので、歩き始めは予定より1時間程遅れた。しばらく平坦な雪道を歩くと支尾根取付に達し、そこからブナ林の間を1時間10分登るとブナ太郎に着いた。そこではスキー組も待っていて軽い食事を取ったり写真を撮ったりして休憩した。樹齢は定かではないが苔に覆われた太い幹のデコボコした樹皮はこれがブナだと言われないと分からない。おそらく何百年もの間、友達のブナは寿命が尽きて倒れたが、驚異的な生命力のブナ太郎だけが生き残ったのだろう。人間でいうと記念すべき百歳なのかもしれない。そこから南西方向に転じてさらに約50分登ると1230m付近に達した。雪の表面はサラサラした粉雪状の約10センチの新雪で覆われていた。自分にとってはここらあたりからが難所だった。まず急斜面のトラバース。木々で覆われた谷の底は見えるのでそう恐怖感はなかったが、もし斜面を滑り落ちたら厄介なことになると慎重に足を運んだ。この時に谷側の足は谷に向くように雪面に置くのだと教えられた。たしかに逆に山側に向くようにしたら滑りやすくなると納得した。

 急斜面のトラバースを過ぎたら山頂直下の急登がまた難所だった。少し氷化しかけている雪もありワカンを踏み込んで登れと言われてその通りに登った。上に行くとさらに急斜面になり四つん這いで登った。ここまで来たら山頂まではあとわずかの登りで、スキー組がここで休んでいた。歩き組はさらに山頂を目指した。出発が遅れたため予定より1時間10分遅れて山頂に着いた。風はそんなになく、吹雪に会うこともほとんどない山登りだった。まずまずの天候だったというべきだろう。帰りは1230m付近から来た時と別の支尾根を下った。このコースもブナの林の中で、途中に熊のツメ跡がついたブナがあったりした。登りのコースよりも雪が柔らかいのか、あるいは疲労のせいかよく雪の中に足が潜り引き上げるのが一苦労だった。ともかくベテランの皆さんの助言で無事に登れたというのが率直な印象でした。いい山だったとか、いい山登りだったと言うのにはもう少し時間がかかりそうな気がする。

ギャラリー