2023年5月 針ノ木岳

場所 針ノ木岳(針ノ木雪渓)
エリア 甲信越
日程 2023/05/03 〜 2023/05/03
コースタイム

扇沢駅(針ノ木岳登山口)6:03→ 二つ目の堰堤6:36→ 大沢出合7:00→ マヤクボ沢出合9:00→コル(標高2672m) 10:50~11:28→針ノ木岳12:07~13:00→扇沢駅14:22

コース状況

 前泊地から車で移動し扇沢の無料駐車場に着くと5時過ぎだというのに既に満車である。仕方ないのでより扇沢駅に近い有料駐車場(12時間で千円)に駐車する。スキー板をザックに着けて針ノ木岳登山口で登山計画書を提出する。スキー板が木に引っかかるのに注意しながら登山道から車道に出て、一つ目の堰堤に続く林道に入る。橋を渡ると雪渓の末端で登山口から20分足らずで到着する。
 二つ目の堰堤を水流の左から越えようとするが、融雪で段差が出来ていて苦労して乗り越える。下山時に右岸の林道からアプローチするのが正解であることが分かった。三つ目の堰堤を越えたところで、スキーを履いて、右岸のトレースに沿って登る。大沢出合は雪が切れかけていて、下山時には地面が見えていた。
 これを過ぎると雪渓の中程をデブリやその段差を避けながら登っていく。正面には針ノ木岳が見えて気持ちの良いシール登高が続く。出発から2時間で標高2100mを越え、針ノ木峠の稜線も近くに見えるのだが、ここからが本番であった。マヤクボ沢に入ると傾斜がさらに増したため、滑落の危険性を考慮して2470m付近でアイゼン歩行に切り替える。先行者のステップを利用させてもらい、一歩一歩登る。やや傾斜が緩んでからは左にトラバースし、最後はコルに向けて直登する。コルからの眺望は素晴らしいもので、黒部湖を挟んで剣岳、立山の峰々がドーンとそびえていた。
 さらに、針ノ木岳に向けてガレ場を登り、上部は堅雪となったため念のためにアイゼンを着け、標高差150mを登り切ると山頂である。眺めは素晴らしく、南は高瀬湖の奥に槍、穂高連峰、北は白馬岳まで遥かな連山である。(山座同定はこちら→harinoidakepa.jpg (5415×375) (canada2194.com) )
 1時間近く山頂で写真を撮ったり景色を堪能した後、いよいよ滑降である。山頂から針ノ木峠に少し下った所からドロップインする。出だしは急斜面で岩の間を抜けるため緊張するが、すぐに快適なカール地形の大斜面となり今シーズン一番の歓喜の滑りとなった。雪質が新雪気味で重い部分や雪渓中部からのデブリや落石を避けながら(残念ながら避けきれなかったが)、順調に滑る。前述したように大沢出合は雪が切れていたが強引に滑り降り50分程で雪渓の末端まで到着した。
 標高差1400mの針ノ木雪渓は登り応え、滑り応えとも十分で頂上からの景色も最高かつ登山口から雪渓までのアプローチも短くとても良いルートだと感じた。 (Y.T.)

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