2024年3月 大滝根山

場所 大滝根山
エリア 東北
日程 2024/03/10 〜 2024/03/10
コースタイム

仙台平08:55 ~ 県道鬼穴登山口09:10 ~ 09:25大越登山口入口
09:30 ~ 09:50温泉跡地09:55 ~ 10:55賽の河原11:00 ~
12:00日吉権現下12:05 ~ 12:30賽の河原 ~ 12:55県道 ~ 13:40仙台平

コース状況

大滝根山は阿武隈山地の最高峰であり、3月に入ってからの降雪で積雪量も増し十分に雪山を楽しめるだろうと、大滝根山は初めてという仲間と登って来た。
冬期は仙台平登山口から登るのが一般的らしいが、今回はせっかくだからと日山権現の方を回り周回して仙台平に下りるコースをとることにした。
20センチほど雪の積もった仙台平登山口に車を停めると間もなく、一台の車が上がって来た。大滝根山に登りに来た人たちのようだ。支度をして歩き始め、除雪された県道381号線を大越登山口入口方面に右折すると正面に大滝根山が望まれた。
廃温泉施設跡手前には民家がありそこまでは除雪されていて、民家向かいの空スペースには、他県ナンバーの車が一台停められていた。
そこから雪道となりスノーシュウの踏跡が続いていた。まもなく左に、今は使われている気配のない古い教会風の建物が現れ、しばらくすると杉林に入りやがて沢に沿った雑木林のなかへと進んで行く。積雪も増してきて脛あたりまで潜るようになり、ワカンを持参しなかったことが悔やまれた。先行者のスノーシュウとワカンの跡を外さないように辿ったが、人数は多くはないようで踏跡は締まっておらず、一歩一歩が沈んで疲れる。
賽の河原の分岐に着くと、御沢コースへの踏跡はなく日山権現への斜面へと踏跡は続いていた。
一息入れ日山権現へと急斜面を登り出す。少し登ってふり返ると、沢を渡ろうとしている仲間の後ろに、雪の中に佇むお地蔵様の姿があった。
雪は深さを増し膝あたりまで潜るようになり、ワカンを持参しなかったことがほんとうに悔やまれた。
雪の下は笹の斜面なのか、先行者の踏跡を辿っても崩れて一歩進むのも容易ではない。斜面はますます急になり、先行者は前を向いての登行ができなくなったようでスノーシュウの跡は横向きについていた。
崩れる雪と格闘し、ようやく尾根が近づいてきたと思われるころ人声が聞こえてきた。男女二人連れで他県ナンバーの方だった。雪が深く日山権現まで到達できなかったが、時間切れで下りて来たとのことだった。
しばらく立ち話をしたあと別れ、もがくように登ると間もなく尾根に出て傾斜も落ちた。雑木林のなかにブナやアセビが点在し、背丈の高い笹が顔を出している尾根はなだらかで歩行も楽だったが、すぐにまた急斜面となった。日山権現への最後の登りのようだった。
今度は雪の下は岩のようで、膝まである雪は崩れ一歩が進まない。これではワカンを履いていても難しいかも知れないと思った。
なんとか上へと進もうとするが雪が崩れてもがくだけだ。先行者の踏跡もここで終わっていた。時計を見るとまもなく12時。われわれもここで潔く下山と決め下りることにした。下りは速い。
仲間は久しぶりに雪と遊んだと嬉しそうだったが、私は久しぶりに雪に体力を絞られた思いだった。
それにしても今年の春の阿武隈の山は雪が多いようだ。例年なら深くても20~30センチ。吹き溜まりでも40センチぐらいだったような気がするが、今年は場所によっては50センチ超えというところもあったようだ。
阿武隈の山でこんなに雪が深かったのは、1980年暮れのいわゆるクリスマス豪雪の時ぐらいだったような気がする。81年1月に蓬田岳、移ヶ岳、日山に登ったがそれぞれ股下あたりまでのラッセルで、後にも先にも阿武隈の山でラッセルをしたのは、そのときと今回だけである。
日山に登ったとき車を置かせてもらった農家の方は、例年なら新年に地元の人は元朝参りをするが今年は雪が深くてやれなかったと言い、こんなときにわざわざ登りに来るなんて変わった人らだないと笑われたことが、日山に登るたび思いだされる。
帰りに鬼穴から仙台平駐車場への登りで会った地元の人は、冬は御沢のコースを登る人はいないと言っていた。  (K,M)

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